高校野球の新たな潮流:プロ志望者減少とスカウト合戦の過熱化
高校野球界ではプロ志望者が減少し、大学や社会人チームへの進路選択が増加。スカウト合戦が過熱化する中、選手の未来を巡る新たな潮流を探る。

プロ志望者の減少
近年、高校野球界ではプロ入りを希望する選手が減少傾向にあります。2025年のドラフト候補の中でも、多くの選手が大学進学や社会人チーム入りを選択しています。例えば、横浜の強打の外野手・阿部葉太は大学へ進学し、天理のショート・赤埴幸輝は社会人入りを選びました。また、U18侍ジャパン候補の芹沢大地や新井瑛太もプロ志望届を提出しないことが濃厚です。
大学と社会人チームの戦略
大学や社会人チームは、有望な高校生を早期に獲得することで、チームの知名度向上や大学の価値向上を図っています。特待や推薦の枠が決まっているため、春先には選手側に進路の回答を求めることが多く、選抜前に進路が決まっている選手も少なくありません。
スカウト合戦の過熱化
プロだけでなく、大学や社会人チームも“金の卵”を狙ってスカウト合戦を繰り広げています。高校野球の現場では、監督やスカウト担当のコーチが頻繁に選手を視察し、獲得競争が激化しています。ある大学の監督は、「獲得したい選手が良くなってから声をかけても遅いから、良くなりそうだと思った時点で声をかけています」と話しています。
高校側の思惑
毎年プロに選手を送り出すチームは限られており、そうでないチームとしては、まず進学実績を作りたいという思惑があります。プロのスカウトはドラフト会議後の契約に追われるのに対し、大学や社会人のスカウトはその間に高校を回って入学させる選手を決めてしまうことも多いようです。
結論
高校野球界では、プロ志望者の減少とともに、大学や社会人チームへの進路選択が増加しています。スカウト合戦が過熱化する中、選手の未来を巡る新たな潮流が形成されています。