ドジャース・佐々木朗希、アメリカの気候に適応できるか

佐々木朗希がドジャースに移籍して開幕を迎えるが、球速の低下とコントロールの不調に悩まされている。チームメイトの大谷翔平は、米国の乾燥した気候に慣れることが課題だと指摘している。

佐々木朗希、開幕を迎えるドジャースで苦戦

佐々木朗希(23)は、ドジャースに移籍して開幕を迎えたが、すでに指摘されていた「球速が落ちている」という問題に加え、別の課題も次々と浮上し、“令和の怪物”の行く手に黄信号が点っている──。

ロバーツ監督の態度が一変

ドジャースのロバーツ監督は、東京ドームの開幕シリーズとなる対カブス戦(3 月 18、19 日)での佐々木の登板について当初、「2 戦目に先発すると思う」と語っていた。しかし、3 月に入ると態度が一変。「まだ検討中。誰にするかは決めていない」と口にするなど、大幅にトーンダウンしたのだ。

佐々木の「失速」が原因?

指揮官が構想を翻した要因の一つと見られるのが佐々木の「失速」だ。本誌・週刊ポストは 1 月 27 日発売号の〈ドジャース入団佐々木朗希「球速」が落ちている!〉で、最速 165 キロを誇った佐々木のストレートが遅くなり、回復のきっかけを掴めずにいる懸念を報じたが、キャンプイン後も問題は続いた。2 月 25 日の実戦形式の練習・ライブ BP で佐々木のストレートは最速 95 マイル(約 153 キロ)前後にとどまり、先頭打者には直球をライトスタンドに運ばれた。3 月 5 日のオープン戦ではリリーフ登板し、3 回を無失点に抑えたものの最速は 159 キロで直球を捉えられる場面が目立った。

佐々木を悩ませる米国ならではの環境

海を渡った佐々木の不調の原因は何か。それを読み解くカギとなるのが、チームメイトである大谷翔平(30)の発言だ。2 月 13 日のキャンプ初日、大谷は報道陣に対し、佐々木への助言としてこうコメントした。「慣れない気候、乾燥してうまく投げられなかったりするけど、そこは慣れ」

大谷自身も渡米当初に抱えた悩み

この「乾燥」は大谷自身が渡米当初に抱えた悩みにも重なる。メジャーリーグ研究家の友成那智氏が語る。「メジャー 1 年目の 2018 年、投手・大谷の難敵となったのが、キャンプ地・アリゾナの気候でした。時には湿度 27%まで空気が乾燥するのでボールが滑ってしまう。マウンド上の大谷が丸めた手のひらに何度も息を吹きかけて指先を湿らせる様子が見られましたが、それでも投球の精度が高まらず打ち込まれるシーンが少なくなかった」

渡米前に NPB でシーズンを通して大活躍を見せていた大谷にとっても困難だった

2018 年のオープン戦 2 試合で大谷は防御率 27.00。開幕後は好投も見せたが、6 月に右肘を痛め、故障者リスト入り。「“滑りやすいメジャー公式球”の制御のための右肘への負担が一因と見られ、オフにはトミー・ジョン手術も受けた」(前出・メジャー担当デスク)のだ。渡米前に NPB でシーズンを通して大活躍を見せていた大谷にとっても困難だっただけに、コンディション不良などで何度も離脱してきた佐々木にとってはより不安材料だろう。長期離脱のリスクにつながる話であり、投球の精度にも直結する。

野球評論家・前田幸長氏も実体験を踏まえて語る

元ロッテ投手でメジャー挑戦経験がある野球評論家・前田幸長氏も実体験を踏まえてこう語る。「米国の特定の地域は日本とケタ違いに空気が乾燥しているうえ、メジャー公式球はパサパサしていて指にフィットせず滑りやすく、慣れるまで時間がかかる。最も困ったのがスライダー。指の腹が滑るので思うように球が曲がりませんでした」

佐々木が復活できるかはスライダーに懸かっている

友成氏は「佐々木が復活できるかはスライダーに懸かっている」と指摘する。「メジャーは投手の平均球速が日本より 5 キロ速く、打者はストレートに滅法強い。佐々木がメジャーで成功するには、強打者をねじ伏せる球速の復活はもち�ん、スライダーの制球力や質を高めてバッターをいなす力が欠かせない」

次に読むべきもの

アーロン・ジャッジの驚異の逆方向ホームラン!MLBヤンキース対レンジャーズ戦で話題の一打
MLB

アーロン・ジャッジの驚異の逆方向ホームラン!MLBヤンキース対レンジャーズ戦で話題の一打

MLBヤンキース対レンジャーズ戦で、アーロン・ジャッジが放った逆方向ホームランが話題に。その驚異の一打を詳細に解説。

大谷翔平と鈴木誠也、MLBオールスター戦のDH候補に!ファン投票開始
MLB

大谷翔平と鈴木誠也、MLBオールスター戦のDH候補に!ファン投票開始

2025年MLBオールスター戦のファン投票が開始。大谷翔平と鈴木誠也がDH候補に選ばれました。

大谷翔平の復活とドジャースの先発投手補強戦略:サイ・ヤング賞投手アルカンタラを巡る議論
MLB

大谷翔平の復活とドジャースの先発投手補強戦略:サイ・ヤング賞投手アルカンタラを巡る議論

大谷翔平の投手復活とドジャースの先発投手補強戦略について、サイ・ヤング賞投手アルカンタラを巡る議論を詳しく解説。

大谷翔平の6試合連続本塁打なるか?フェンウェイ・パークでの熱狂とチケット高騰
MLB

大谷翔平の6試合連続本塁打なるか?フェンウェイ・パークでの熱狂とチケット高騰

大谷翔平の6試合連続本塁打が期待される中、フェンウェイ・パークでのレッドソックス対ドジャース戦が熱狂的な盛り上がりを見せています。

MLBオールスター2025:大谷翔平5年連続選出へ、鈴木誠也初選出に期待
MLB

MLBオールスター2025:大谷翔平5年連続選出へ、鈴木誠也初選出に期待

2025年MLBオールスター戦のファン投票が開始。大谷翔平の5年連続選出と鈴木誠也の初選出が期待される。

吉田正尚の一塁守備練習が地元メディアの注目を集める!MLB復帰への期待高まる
MLB

吉田正尚の一塁守備練習が地元メディアの注目を集める!MLB復帰への期待高まる

吉田正尚が一塁守備練習を再開し、地元メディアがその復帰に大きな期待を寄せています。MLBでの活躍が注目されています。

ドジャース・マット・サウアー、今季5度目のマイナー降格!111球の奮闘も空しく
MLB

ドジャース・マット・サウアー、今季5度目のマイナー降格!111球の奮闘も空しく

ドジャースのマット・サウアーが今季5度目のマイナー降格。111球の奮闘も空しく、チームの投手陣の課題が浮き彫りに。

【MLB】マリナーズが劇的逆転勝ち!タベラスの2号2ランでシーソーゲームを制す
MLB

【MLB】マリナーズが劇的逆転勝ち!タベラスの2号2ランでシーソーゲームを制す

マリナーズがホワイトソックスとのシーソーゲームを制し、タベラスの2号2ランで逆転勝利。今季最多タイの貯金8を達成。

鈴木誠也の圧巻の逆転3ランホームラン!MLBで沸き立つ熱狂
MLB

鈴木誠也の圧巻の逆転3ランホームラン!MLBで沸き立つ熱狂

鈴木誠也がMLBで逆転3ランホームランを放ち、カブスを勝利に導いた。その圧巻の一撃に球場は熱狂に包まれた。

大谷翔平への死球で警告試合に発展、ロバーツ監督の激しい抗議とその背景
MLB

大谷翔平への死球で警告試合に発展、ロバーツ監督の激しい抗議とその背景

大谷翔平選手への死球を巡り、ロバーツ監督が審判に激しく抗議し退場となった試合の詳細とその背景を解説。

大谷翔平がブルワーズ戦で復活の一打に期待!前半戦残り6試合で31号本塁打なるか
MLB

大谷翔平がブルワーズ戦で復活の一打に期待!前半戦残り6試合で31号本塁打なるか

大谷翔平がブルワーズ戦に「1番・DH」で出場。6試合ぶりの31号本塁打に期待がかかる。前半戦残り6試合でキャリアハイ更新なるか。

大谷翔平の快進撃!ドジャース史上2位タイの19号本塁打でチームを牽引
MLB

大谷翔平の快進撃!ドジャース史上2位タイの19号本塁打でチームを牽引

大谷翔平がドジャース史上2位タイの19号本塁打を放ち、チームに活気を与えました。MLBでの活躍を詳しく解説。

大谷翔平とカーショーの感動の瞬間:MLB史上最高の抱擁
MLB

大谷翔平とカーショーの感動の瞬間:MLB史上最高の抱擁

大谷翔平とクレイトン・カーショーがMLB史上最高の抱擁を交わし、ファンに感動を与えた瞬間を紹介。

イチロー氏、米野球殿堂入り表彰式典前日に熱弁「重圧で押しつぶされそう」
MLB

イチロー氏、米野球殿堂入り表彰式典前日に熱弁「重圧で押しつぶされそう」

イチロー氏が米野球殿堂入り表彰式典前日にメディア対応し、式典への心境や野球への思いを語った。

大谷翔平の無安打もドジャースが6連勝でメジャー1位をキープ!6月の活躍を振り返る
MLB

大谷翔平の無安打もドジャースが6連勝でメジャー1位をキープ!6月の活躍を振り返る

大谷翔平が2試合連続で無安打だったが、ドジャースは6連勝でメジャー1位をキープ。6月の活躍を詳しく紹介。

Load More

We use essential cookies to make our site work. With your consent, we may also use non-essential cookies to improve user experience and analyze website traffic. By clicking "Accept," you agree to our website's cookie use as described in our Cookie Policy.